JIN-仁-2 [2011年4月期]
【TBS】 毎週日曜放送 (4/17~6/26) [21:00~21:54]
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第1話
佐久間象山(市村正親)に「未来へ行った」経験を持たせることで、ドラマ内リアリティ(タイムスリップは現実)を補強すると共に、仁(大沢たかお)が抱え続けている「歴史を変えてもいいのか」という煩悶にゴーサインを出したのが巧み。続編(の初回)の作り方として申し分なし。
第2話
皇女和宮(黒川智花)の脚気を治すことで「歴史が変わる」のを、物語上でどうやって「変えないか」が見どころなのだが、そこに医学館の嫉妬を絡めて(砒素による謀殺)、仁(大沢たかお)を大牢送りにしたのはやりすぎ。事態の収拾に時間がかかりすぎて、1話で収まらないのは逆効果。
第3話
仁(大沢たかお)に感化されたこれまでの登場人物の助力で無罪放免になる話なのだが、2話を費やしたわりには中身が薄い。2時間にぎっしりエピソードが詰まっていた初回の出来と比べると その差は歴然で、シリーズ全体の終わらせ方(辻褄合わせ)に余計な手を取られている印象を受ける。
第4話
「遠心分離機」「輸血」「恵姫」の組み合わせに、オギノ式のおまけまでついて、なかなかネタは尽きないと感心する。和宮から賜った櫛(3話)で恵姫を懐柔し、西郷隆盛と仁(大沢たかお)のやり取り(1話)を引き合いに、薩長を結びつける龍馬(内野聖陽)など、各話をまたいだエピソードも見事。
第5話
「歴史を変える」「自分が消える」の問題をグダグダ考えすぎて(制作サイドが)、メインのエピソードが盛り上がらない悪いパターン。白粉による役者の鉛中毒を、親子の人情ものに仕上げたのは「うまい」のに、終わってみればペニシリンの結晶化のトピックのほうが印象深い。
第6話
タイムスリップものとしての辻褄合わせ(シリーズの終わらせ方)に注意を払いすぎて、個々のエピソードがつまらなくなっていく悪いパターン。仁(大沢たかお)が歴史を変えていいものか悩むのではなく、作者が同じ問題で身動きが取れなくなっている感じ。
第7話
仁(大沢たかお)が未来を変えようとすると「歴史の修正」が入るのならば、江戸の人間が自分たちの意思で歴史を変えようとすればいい、という解釈を披露したことが今回のキモではあるが、それ以外の部分は相変わらず「シリーズを終わらせる」ための辻褄合わせに汲々としている感じ。
第8話
野風(中谷美紀)が命を賭して子供を産むエピソードは、未来の「存在」に直結した問題だし、龍馬(内野聖陽)を暗殺から守ろうとするのは「歴史」の修正問題。全編を通じてSF的な興味(物語の締め方)でしか物語が進行していない。
第9話
龍馬(内野聖陽)の暗殺を阻止しようと仁(大沢たかお)が京に向かうだけで、龍馬と会えるのか、どういう状況で誰が斬りつけるのか(史実とのすり合わせ)、このドラマのオリジナルキャラクターは事件のどう絡むのか、という興味で最後まで引っ張ってしまう。
第10話
恭太郎(小出恵介)に龍馬(内野聖陽)を斬らせるのは忍びないとして、代わりに東(佐藤隆太)が斬ったという解釈が「正解」なら鳥肌ものだった。深手を負わせても、仁(大沢たかお)が助けてくれる信頼感と、その技術をストーリーに生かすこともできた完璧な解釈なのに、なぜそうしない?
第11話(最終回)
胎児の謎(バニシングツインが脳腫瘍に変化)も、過去の仁(大沢たかお)が現在の仁に助けられるパラドックスも(並行世界の現在にタイムスリップ)、予想以上に納得いく説明が用意されていて満足。後半、怒涛の辻褄合わせも無理なく、むしろ感動的に仕上がっているのがスゴイ。
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第1話
佐久間象山(市村正親)に「未来へ行った」経験を持たせることで、ドラマ内リアリティ(タイムスリップは現実)を補強すると共に、仁(大沢たかお)が抱え続けている「歴史を変えてもいいのか」という煩悶にゴーサインを出したのが巧み。続編(の初回)の作り方として申し分なし。
第2話
皇女和宮(黒川智花)の脚気を治すことで「歴史が変わる」のを、物語上でどうやって「変えないか」が見どころなのだが、そこに医学館の嫉妬を絡めて(砒素による謀殺)、仁(大沢たかお)を大牢送りにしたのはやりすぎ。事態の収拾に時間がかかりすぎて、1話で収まらないのは逆効果。
第3話
仁(大沢たかお)に感化されたこれまでの登場人物の助力で無罪放免になる話なのだが、2話を費やしたわりには中身が薄い。2時間にぎっしりエピソードが詰まっていた初回の出来と比べると その差は歴然で、シリーズ全体の終わらせ方(辻褄合わせ)に余計な手を取られている印象を受ける。
第4話
「遠心分離機」「輸血」「恵姫」の組み合わせに、オギノ式のおまけまでついて、なかなかネタは尽きないと感心する。和宮から賜った櫛(3話)で恵姫を懐柔し、西郷隆盛と仁(大沢たかお)のやり取り(1話)を引き合いに、薩長を結びつける龍馬(内野聖陽)など、各話をまたいだエピソードも見事。
第5話
「歴史を変える」「自分が消える」の問題をグダグダ考えすぎて(制作サイドが)、メインのエピソードが盛り上がらない悪いパターン。白粉による役者の鉛中毒を、親子の人情ものに仕上げたのは「うまい」のに、終わってみればペニシリンの結晶化のトピックのほうが印象深い。
第6話
タイムスリップものとしての辻褄合わせ(シリーズの終わらせ方)に注意を払いすぎて、個々のエピソードがつまらなくなっていく悪いパターン。仁(大沢たかお)が歴史を変えていいものか悩むのではなく、作者が同じ問題で身動きが取れなくなっている感じ。
第7話
仁(大沢たかお)が未来を変えようとすると「歴史の修正」が入るのならば、江戸の人間が自分たちの意思で歴史を変えようとすればいい、という解釈を披露したことが今回のキモではあるが、それ以外の部分は相変わらず「シリーズを終わらせる」ための辻褄合わせに汲々としている感じ。
第8話
野風(中谷美紀)が命を賭して子供を産むエピソードは、未来の「存在」に直結した問題だし、龍馬(内野聖陽)を暗殺から守ろうとするのは「歴史」の修正問題。全編を通じてSF的な興味(物語の締め方)でしか物語が進行していない。
第9話
龍馬(内野聖陽)の暗殺を阻止しようと仁(大沢たかお)が京に向かうだけで、龍馬と会えるのか、どういう状況で誰が斬りつけるのか(史実とのすり合わせ)、このドラマのオリジナルキャラクターは事件のどう絡むのか、という興味で最後まで引っ張ってしまう。
第10話
恭太郎(小出恵介)に龍馬(内野聖陽)を斬らせるのは忍びないとして、代わりに東(佐藤隆太)が斬ったという解釈が「正解」なら鳥肌ものだった。深手を負わせても、仁(大沢たかお)が助けてくれる信頼感と、その技術をストーリーに生かすこともできた完璧な解釈なのに、なぜそうしない?
第11話(最終回)
胎児の謎(バニシングツインが脳腫瘍に変化)も、過去の仁(大沢たかお)が現在の仁に助けられるパラドックスも(並行世界の現在にタイムスリップ)、予想以上に納得いく説明が用意されていて満足。後半、怒涛の辻褄合わせも無理なく、むしろ感動的に仕上がっているのがスゴイ。
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